TC研究会、認知症ケア専門士の梅澤です。
今回で認知症については4回目の記事となります。前回は認知症の種類について、4大認知症とも言われている『アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型認知症』を取り上げさせて頂きました。今回は認知症の中核症状と周辺症状について述べさせて頂きます。
周辺症状は“行動・心理症状” (BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)とも言われます。
認知症の種類によってこの中核症状と周辺症状の出現のしかたは異なり、詳細については専門書を参考にして頂き、ここではできるだけ認知症について初心者の方に向けわかりやすく説明させて頂きます。
中核症状とは、普段皆様が認知症のイメージとして持っている記憶障害や見当識障害(日時や場所の把握が困難)などのことで、脳実質の障害が原因で起こる症状です。
一方、周辺症状はというと 行動・心理症状(BPSD)とも言うくらいで行動面と心理面の問題であり、中核症状が元で二次的に出現する、徘徊・暴力・不安・妄想などの症状のことをさします。
例えば、中核症状である記憶障害のある患者様は、入院した時に病院にいるという記憶がないため“ここはどこなんだ”という不安が強くなり徘徊したり興奮したりという周辺症状が出現することが多く見られます。簡単ではありますが、まずはこれらの二つの症状があるということをご理解いただき、それぞれの現段階で一般的に行われている治療や対応方法をあげてみます。
まずは認知症の治療選択として薬物療法・ケア・リハビリテーションが挙げられ、それぞれ患者様の状態や認知症の種類などにより選択されます。進行してくれば全ての治療方法を併行しバランス良く行っていきます。それぞれの内容をとても簡単に説明しますと以下の様なものが挙げられます。(これらに対しても詳しくは専門書などを参考にして下さい)
<参考文献>
<中核症状> <周辺症状>
<薬物療法> ・認知機能改善薬 ・向精神薬
<ケア> ・その人の立場になる ・問題行動でなくその人の表現と解釈
<リハビリ> ・五感(残存機能)をフル活用 ・役割や快刺激をサポート
簡単に書きましたが、最も大切なことは「その人を中心にした治療やケア」をしていくことです。
あたり前と言えばそれまでですが、これは裏を返せば認知症が痴呆(漢字の意味として愚かなどがある)と呼ばれていた時代は漢字の意味の通りの扱われ方が多くされていたということを忘れてはいけません。
また、医療の発展はあるものの完治ではなく、あくまでも進行を遅らせるのが現段階での限界ということも悲しくはありますが現実なのです。
それでも世界で類をみない認知症割合トップのこの日本で『私も認知症、あなたも認知症』という時代で楽しく幸せにすごせるような社会をみんなで協力してつくっていければと思います。
以上簡単ではありますが、認知症の中核症状と周辺症状についてとなります、最後までお読み頂き本当にありがとうございました。
トータルコンディショニング研究会
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