月別アーカイブ: 2017年6月

専門家向け TC研究会コラム 『認知症の中核症状と周辺症状について』

TC研究会、認知症ケア専門士の梅澤です。

 

今回で認知症については4回目の記事となります。前回は認知症の種類について、4大認知症とも言われている『アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型認知症』を取り上げさせて頂きました。今回は認知症の中核症状と周辺症状について述べさせて頂きます。

周辺症状は“行動・心理症状” (BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)とも言われます。

認知症の種類によってこの中核症状と周辺症状の出現のしかたは異なり、詳細については専門書を参考にして頂き、ここではできるだけ認知症について初心者の方に向けわかりやすく説明させて頂きます。

 

中核症状とは、普段皆様が認知症のイメージとして持っている記憶障害や見当識障害(日時や場所の把握が困難)などのことで、脳実質の障害が原因で起こる症状です。

一方、周辺症状はというと 行動・心理症状(BPSD)とも言うくらいで行動面と心理面の問題であり、中核症状が元で二次的に出現する、徘徊・暴力・不安・妄想などの症状のことをさします。

例えば、中核症状である記憶障害のある患者様は、入院した時に病院にいるという記憶がないため“ここはどこなんだ”という不安が強くなり徘徊したり興奮したりという周辺症状が出現することが多く見られます。簡単ではありますが、まずはこれらの二つの症状があるということをご理解いただき、それぞれの現段階で一般的に行われている治療や対応方法をあげてみます。

 

まずは認知症の治療選択として薬物療法・ケア・リハビリテーションが挙げられ、それぞれ患者様の状態や認知症の種類などにより選択されます。進行してくれば全ての治療方法を併行しバランス良く行っていきます。それぞれの内容をとても簡単に説明しますと以下の様なものが挙げられます。(これらに対しても詳しくは専門書などを参考にして下さい)

<参考文献>

 

   <中核症状>          <周辺症状>   

<薬物療法>    ・認知機能改善薬         ・向精神薬

 

<ケア>      ・その人の立場になる    ・問題行動でなくその人の表現と解釈

 

<リハビリ>    ・五感(残存機能)をフル活用   ・役割や快刺激をサポート

 

簡単に書きましたが、最も大切なことは「その人を中心にした治療やケア」をしていくことです。

あたり前と言えばそれまでですが、これは裏を返せば認知症が痴呆(漢字の意味として愚かなどがある)と呼ばれていた時代は漢字の意味の通りの扱われ方が多くされていたということを忘れてはいけません。

また、医療の発展はあるものの完治ではなく、あくまでも進行を遅らせるのが現段階での限界ということも悲しくはありますが現実なのです。

 

それでも世界で類をみない認知症割合トップのこの日本で『私も認知症、あなたも認知症』という時代で楽しく幸せにすごせるような社会をみんなで協力してつくっていければと思います。

以上簡単ではありますが、認知症の中核症状と周辺症状についてとなります、最後までお読み頂き本当にありがとうございました。

 

トータルコンディショニング研究会

HP http://www.total-conditioning.com/

 

専門家向け TC研究会コラム【触診の重要性を考える】

TC研究会の梅澤です。

いつも記事を読んで頂き本当にありがとうございます。

 

 

今回は私が、“”なぜ触診の重要性を強く感じているのかということをお話しさせて頂きます。もちろんこれを読んで下さっている皆様は『触診は大事』だということは重々承知かと思います。

 

 

また、完全な触診技術ではなくとも触診によりクライエントの身体状況を把握し効果を体験した方は多いことでしょう。

 

そうなんです!

触診は大事・重要!!

ということはわかっているんです。

そして勉強もそれなりにしているとは思うんです。

しかし、現状の現場では触診の重要性ってどこまで高いと感じられているんでしょうか?!私はあまり高く思われていない様に感じます、現場では色々な状況が目に浮かびます。

 

そして、こんな声が聞こえてきます・・・・

『触診は大事だけど、すぐに効果が出る技術を修得したい!』

『多くの書類業務などがありすぎて中々勉強できない・・・』

『はっきり言って触診の技術がなくても何とかなっちゃう』

『勉強してもすぐ忘れちゃう』

『様々なクライエントの要望があり触診の勉強まで追い付かない』

 

もっとあるとは思いますが、こんなふうに思っている人は要注意です。

触診がしっかりできるといことがクライエントの要求に応える最重要課題または最低条件であると理解していないということだと思います。

 

また中には、クライエントの要求にそこまでこだわっていない ということも・・・

もっともこれを読んで下さっている方はそれはないと思います。

 

この様に触診の重要性が低下してきているような風潮は何も個人の問題が大きいわけではないのです。

現在科学の発展によりそれだけヒトの身体のことが解明され情報が多様化してきたことによりクライエントへ提供できる技術が格段に増加したことが大きな要因と考えられます。

 

つまり、触診の重要性の絶対値は変化していないが相対値が変化したということです。

 

但しそれをよく考えて現在の健康・医療などの業界をみてみると、ベテランの方で素晴らしいトレーナーや治療家の方々はまずは何年も触診をしっかりと勉強しそれを軸にクライエントに真摯に向かっており、その後に現在の様な多様化している様々な技術を取り入れたことにより本当の技術を取り入れてきたことがわかります。

 

これは何も触診だけに言える事ではないでしょう、本当に成功している人で基礎をおろそかにしている方は若い成功者であれ見たことがありません。

私もそうですが、直ぐに成功したいや簡単に何か手に入れたいという思いは人間である以上ある程度はしかたがないと思います。

 

しかし、そこでクライエントのことそして自分の将来のことを真剣に考えてみれば本当に必要なことが少しは見えてくるのではないでしょうか。

 

皆さん4月から新人としてや新人さんの教育、または新たな取り組みなど何かと業務が忙しかった3か月間であったと思いますが、だいぶ慣れて落ちついてきた方もいるかと思います。

 

是非今一度基礎にもどって触診を一緒に勉強してみませんか。

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梅澤先生が講師を務める

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トータルコンディショニング研究会

HP http://www.total-conditioning.com/